やがて春休みに入り、私は高校2年生になろうとしていた。
ちょうどこの頃、ABさんは東京の予備校に通うことになる。

AB「東京の板橋さ住むごどさなった。東京会館があるときわ台まで歩いで通わいる。有難い!」

彼はそのようなことを私や諸先輩方に話し、会館参詣しながら折伏を進めていきたいと決意を語る。
一方私は顕正会が本当に正しいのかどうか当時外部からの情報を見聞きすることもなかったので、前回書いたとおり迷いに迷っていた時である。 
兄弟抄御書講義のビデオ放映が終わり、ABさんが熱心にSSK班長へ質問している側で、私はAS支隊長へ顕正会が唯一正しく仏法が本当に良いものならば何故、世間の人々は顕正会が危険な団体であると訴えて辞めてった人たちが皆こぞって顕正会を悪く話すのかなどを聞いていた。

AS「兄弟抄でもあったげど、池上兄弟が云々…行解既に勤めぬれば云々…怨嫉っていうのが仏法にあんなやの。仏法やってれば悪口も言われるし毛嫌いもされる。だがら頭で考えんな!折伏やろうぜ折伏!!の!?」

もっこり(いやいやいや、考えんなって言われでも。。。仏法はこういうものだと無理矢理押し付けられてるような…)

暫く私は沈黙する。AS支隊長の頭で考えるなという言葉を毎回聞いていたせいか、脳裏にはその言葉ばかりがこだまする。
矢張りひたすら頭で考えるなと言われることには納得がいかず、一種の暗示にさえ思えてきた。
その時AS支隊長の携帯に着信が入る。

AS「 はい、もしもしASです。あー!お忙しいところすみません。はい、はい!そうですね。はい…分かりました。」

珍しくAS支隊長が標準語になる。
東北人が東京方面の方とお話すると、標準語に呑みこまれることはよくある話だ。
恐らく関東方面の方とお話をされているのだろう。
そう思った矢先である。

AS「もっこり君、WI総補がもっこり君ど話しだいどや。」

携帯を差し出しながら、私に電話をさせようとする。

もっこり「誰です?WI総補って。」

AS「AS支隊を面倒見てる俺達の先輩にあたる方だ。」

もっこり「分かりました。はい、もしもしはじめまして!もっこりと申します。」

WI「おぉ〜キミがもっこり君か〜AS君から話は聞いてるよ。今信心頑張ってるんだって?有難いね〜。でも、今友達がみんな反対してて大変なんでしょ?」

もっこり「はい、そうです。」

WI「実はね、仏法には魔障っていうのが存在するんだ。魔障ってなんだか知ってる?」

もっこり「はい。信心を妨害するものという認識はあります。」

WI「 そうなんだよね。でも大丈夫だよ。絶対に大丈夫!どうしてだと思う?」

もっこり「いや〜正直何を根拠にと思ってしまいますね。」

WI「それがね、仏法を根拠になんだ。もっこり君RPGのゲームとかってやる?」

もっこり「まぁ幼い頃に多少はやってましたけど。」

WI「そっかそっか〜。僕はね、大好きだな〜(笑)じゃあね、魔障をRPGにでてくる中ボスだと思ってごらん?んでもっこり君はゲームの中の主人公。ストーリー進めていくとさ、必ず中ボスにあたるよね。これはゲームのシナリオ上避けられないよね。信心も続けていくと魔障というものとどうしてもぶつかってしまう。こればっかりは仏法という法則の中で起こってくる出来事だから仕方がないんだ。ここまではわかるかな?」

もっこり「はい。言いたいことは分かります。」

WI「そんでね、その中ボスには弱点が2つあるんだよ。なんだか当ててごらん?」

もっこり「勤行と折伏ですか?」

WI「ん〜〜〜〜惜しいな(笑)でもいい線いってる!もっこり君の答えも間違ってはいないよ。その中ボスの一番の弱点はね、有難いと広宣流布。この2つの想いを中ボスにぶち込むとすぐにやっつけられる。仏法頑張ってる人は誰でも。ね。」

もっこり「なるほどですね。誰でもと言える根拠は?」

WI「仏法の法則上はね、必ず遭遇した魔障には勝てるシステムになってるんだよ。AS君は平成10年の入信だし僕なんか平成2年の入信だよ。もし勝てない魔障があるんだったらさ、もうウチら遭遇して仏法辞めちゃってもおかしくないでしょ(笑)ね。だから心配しなくてもいいんだよ。それとね、ウチらとも感激語り合って御祈念も一緒にしてさ、魔障退治するの手伝わせてよ。そしたらもう大丈夫!もっこり君がこうして中ボス倒してレベルアップしてけば今もっこり君に反対してるお友達も仏法で助けるパワーが自然にもっこり君に備わってくるからさ。お友達、また一緒に信心できるようになるといいね。でも今は中ボス一緒に倒すところからだね(笑)一緒に頑張ろうよもっこり君!ね。あ、機会があったら埼玉にもおいで、もっこり君の仲間を紹介してあげるから。」

もっこり「はい。ありがとうございますっ!!」
 

仏法を私に対してできるだけ丁寧に分かりやすく説いてくれたWI総補に対して、この人はタダ者じゃないと感じた。
常にずしっと構えて落ち着いており、人を納得させることには相当長けた方である。
もしこの人が人を騙したら、恐らく大抵の人は騙されるだろう。
そのくらい、話術も巧みな人だ。
胸につかえた悶々とした気持ちもとれてスッキリとして、組長初陣戦を本気で頑張ろうと決意した。
そんな時である。

SYが彼女さんと別れてしまったとのこと。

彼が相当落ち込んでるのも見ていたので、「一緒に勤行しに行ごうぜ。まだまだ終わってねぇよ。SYの幸せはこっからだよ。の!」と声をかけてひたすら励ました。
彼は暗い気持ちを押し殺しながら頑張って拠点に通いはじめる。
ちょうどこの頃、AS支隊長がSYに顕正新聞をあげるようになる。
暫く日が経つと、SYが顕正新聞の感想を私や諸先輩方に興奮気味に語る。

SY「みんなの国のごど考えで本気で仏法頑張ってる登壇にめっちゃ感動した!俺もこれがら仏法頑張ってみんなみだいに立派な人さなりでぇ!」

私にはこう話してくれた。
私も嬉しかった。SYに仏法を教えて本当によかったと。


ー間も無くして4月に入る


4月に入った瞬間、私は仏法をどうしても教えたい後輩達がいた。
不良の後輩達である。
私が卒業してからも彼等は学校の窓ガラスを全部割ったり、夜中に消火器を学校内に撒き散らしたり、教師への暴力や他校生との喧嘩も絶えず教育委員会の間でも問題になっており、色々と酷かったそうだ。
とはいえ中学時代は私も学校をサボる時にはよく後輩不良グループのリーダー格にあたる子の部屋が中学校の近くにあったので、よく遊びに行っていたおり仲はメチャクチャよかった。
学校サボった度に部屋で酒やタバコを大量に貰った恩もあるし。。。いやいやいや!!荒れてしまうということは罪障だってあるはずだ。仏法は因果だ。うん、そうだ。そうに違いない。だから折伏して救うのだ!…決して三毒な理由などではない!
という訳で特に仲が良かった後輩を家の近くにある地下道に呼び出す。
4月5日の18:00頃、空は殆ど暗くなっていた。
AS支隊長とSYと共に現地に向かうと、後輩と10人以上のヤンキーがそこに待っていた。

後輩1「よ!もっこり君久しぶり(笑)」

後輩2「 待ちくたびれだわ。なんだ、連れもいんのが!」


人気の無い地下道で大人数のヤンキーに囲まれた。