JJはあの日の翌日、公然わいせつで逮捕されたことが判った。
女子高生に対して背後から抱きついたとのことだった。
地方紙にも掲載されて…これは後から聞いたお話だが、浅井城衛さんはカンカンだったらしい。
なんでも浅井会長の耳にもJJのお話が入ったらしい。
ビデオ放映にいつも映っているあのお馴染みのお2人の名前を聞いた当時は、意外と近い存在なんだなあなんてしみじみしながら考えたし、何よりどういうリアクションをしたのかが気になった(笑)


結果的にJJは私と一度も活動することなく謹慎処分となり、顕正会から姿を消した。


ーそして、あれから毎日のようにSSKさんが私に電話する。


「お数珠どお経本持ってTKD商店さ来てくれの。待ってっさげ。」


そう話しながら家の近くまで迎えに来てくれた。

毎晩市のはずれにある山の麓(ふもと)にある自宅拠点まで財も労も惜しみなく、あの人は高校生だった私一人の為に身を粉にしながら連れてってくれた。 
雪道や渋滞などで定時の勤行がギリギリ間に合わなさそうな時なんかは、

SSK「もっこり君さ功徳積んでもらいだいはげ俺はこごまで連れできたんだ。こごで降りで勤行やって来い!俺は車に残って勤行やっから!」

などと話して、私の参詣を最優先に考えていてくれた。
私を日曜勤行やビデオ放映に参加させた後も、

SSK「難しがったろ(苦笑)連なって俺達と会ってれば自然に覚えっさげの。難しぐ考えねでいいがらや。」

なんてよく声をかけてくれてた。
参詣の時はいつも、所属を記入していた。
どうやら私は、

12隊AS支隊SSK班らしい。
HRさんはSSK班を抱えている副長とのことだ。
因みにあのJJも嘗ては班長までいって、支隊の中ではズバ抜けて入信を叶えていたらしい。
私を勧誘した時は例の106万円事件の後に某駅前スーパーでボロニアソーセージを万引きして捕まり、組長に降格後の復帰戦だったそうだ。そして、

功徳、魔障、罪障消滅、一生成仏、国立戒壇、三毒、無間地獄…

基本的なことは全てSSKさんから学んだ。
当時参詣する際に靴下を履くように何度も教わったこともあり、自宅でも全裸に靴下を履いて勤行するようになった。
移動中の車内では、私が入信する前のエピソードを色々話してくれた。

「恐怖の御観念文エピソード」

SSKさんの話の中で私が勝手にそう名付けているエピソードがある。
2つあるのだが、
1つ目は御観念文中にJJが何故か後ろに下がり、私が入信する時に御導師をしていたHRさんの指先がJJの尻の間にキレイに挟まった。

JJ「おふっ…」

御観念文中に静まり返る仏間の中心で、勢いの良いカンチョーが仏間でJJにされたお話である。

JJ「ウホッ、おでHRくんがらカンチョーされだぁ〜」

HR「最悪だ…」

勤行を終えて仏間から出て、このようなやりとりをしながらHRさんはひたすら手を洗っていたらしい。

そして2つ目は、
御観念文が終わって皆が頭を上げる瞬間にJJが甲高いおならをして、それが後ろにいたHRさんの鼻へと直に入り、勤行が終わった直後にJJは御挨拶もせずに、

JJ「やっべでやっべで〜!!(汗)」

と、言いながら両手で尻を抑えてものすごい勢いで硫黄臭くなった仏間を出たとのこと。そして、

SSK「すんません。さっき屁した奴連れできたの実は俺なんです。。。」

と、仏間に居た女子部全員に話すとみんなが大爆笑。
SSKさんはひどく赤面したというお話である。

もっこり「しかし何故HRさんばっかりそんな目に遭うんすか(爆笑)」

なんてSSKさんに話していると、少し前から勧誘を全くしなくなって信心の調子が悪いことを話しながら、私に魔障と別罰と三世の因果の話をしてくれた。
いつも彼は馬鹿話8:指導2の割合で私に接してくれて、当時の私はそれが居心地良かった。

私は最終的に顕正会を邪教と判断して日蓮正宗に帰伏する形となったが、今でもSSKさんには感謝しているし、尊敬している。
面倒見の良い班長だったSSKさんの背中を後部座席から見ながら、

もっこり(班長ってカッケぇな!俺もSSKさんみたいに輝いてる人間になりてぇ。)

と、入信1週間程で心からそう思うようになった。
ある日参詣が終わった後にもう閉店した某100円ショップの駐車場で、SSKさんと語り合っていた。
私の友人に悩んでいる人達が沢山いる話をした後に、

もっこり「しゃくぶくって自分がやってもいいんすか?」

SSK「もちろん、一緒に頑張ろぜっ!約束取れだら俺達応援入っがら!!但し高校生以上じゃねぇど入信は出来ねぇがら、タメが先輩さ声掛げるようさしての。」

もっこり「なんで中学生以下はダメなんすか?」

SSK「義務教育も終わって自分の意思で物事を判断出来る時期が高校生以上だがらがな…?多分。」

もっこり「なんとなくですけど…了解っす。」

高校生以上の入信じゃないとダメだということに引っかかりは感じだが、勧誘していいというお話は私の中では意外な返答だと思った。
何故なら、私が顕正会に入信した時は登用試験の直後。
これに合格してるか、もしくは班長などの役職がなければ折伏は出来ないものと思い込んでおり、ダメ元で聞いてみたからである。
特に当時参詣直後に集まるメンバーがいつも、

AS支隊長
HR副長
SSK班長
もっこり

だけだった為、余計にそう思った。
参詣後は毎日この4人で拠点近くの「いっぽ堂」という物産店(?)だったかと思うが、既に閉店した後のそこの駐車場に集まり、全員でいっぷくしながら語り合っていた。
後から聞いた話だが、この時のAS支隊は停滞のピークだったらしい。
故に、「長一人」と呼ばれる班員を抱えていない班長以上の幹部しかいない状態だった。
新潟にYM班長、在京には後の部長になるOS副長がAS支隊のメンバーとしていたが、彼等も同様に当時は長一人だった。
あとは「化石」と呼ばれるビデオ放映などに時々参加するだけの人達だけだった。
そのようなこともあり、入信間もない私は支隊の方々からこれ以上ない位に大事にされていた。


100円ショップの駐車場で語り合った後、家に着き食事をとりながらずっと悩んだ。
高校生以上であれば、皆に教えることができる。しかし実際悩んでる友達は多い。
誰から行けばいいのだろうか、どうしようか。。。と。

マグカップに注がれた麦茶を勢いよく飲み干し、険しい表情をしながら下を向く。
部屋で一考の後に唱題をはじめた。
無論、全裸に靴下で。