ー2005年1月16日PM4:00SKT駅前にて


雪こそは降っていなかったが、いつも以上に気温が低くて冬風が絶えず音を立てる。
肌に突き刺さる冬風に耐えながらJJを待つ。
私の隣には友人TYとその彼女さんMMもJJに呼ばれたとの事で来ていた。
前日にはJJから私の携帯に、
「ちゃ、明日の16時にSKT駅で待ってまつ。」
と、メッセージが来ていた。
おかしな日本語だったが、時間に対してここまで几帳面なJJは見たことがなかったため、これから何があるんだろうと3人で話していた。
 
その時、JJが白いディーゼル車の助手席から降りて私たちの所へ駆け寄る。

JJ「よぉ!寒がったろ。さぁ、乗って乗って!」

勢いよく私たちを車に乗せようとする。
運転席には格闘技が好きな方はご存知であろう、武藤敬司さんとそっくりな人が座っていた。
彼は私たちにSSKと名乗った。
SSKさんの服装はB系と呼ばれるだぼだぼの服装で、金色のデカいネックレスなどを付けてイカツイ感じの人だった。
山本Kidさんの次は武藤敬司さんかと思いながら、私たちは挨拶を交わしてお近づきの印にとSSKさんにタバコを渡す。

SSK「高校生がらタバゴもらっちまったなぁ〜ありがどの。美味しく吸わせでもらうわ!」

見た目とは裏腹に、話すと優しそうな人だった。 
暫く談笑していると、JJがそわそわし始める。

SSK「JJ!彼等に話しっで事あんなんでろっ!」

SSKさんが背中を押すように話しかける。
漸くJJが口籠もりながら私たちに語り始める。

JJ「俺だぢ仏法っていうのやってんだ!」

TYとMMは隣で話を聞かずに2人で談笑している。
取り敢えず、私だけで話を聞くことにする。

SSKさんとJJに経済的な功徳があったこと、亡国が近いこと、仏法を実践して宿命転換しなければ個々人も救われない事をJJが必死で私たちに語りかける。

SSK「とりあえず、俺だぢが隣でやり方教えっさげって一回騙されだつもりでやってみ?」

もっこり「分かりました。自分は大丈夫ですよ。」

宗教に対する偏見が特になかった私は、2つ返事で了承した。
多くの西洋人がキリストを信じるように、日本人が仏教を信仰することは悪いことではないと思ったからである。
そういうものだろうと思い、断る理由などなかった。

SSK「着いだぞ!」

私達は公園の駐車場に着き、車を降りて彼等について行こうとする。 

JJ「おでの友達は絶対死なせねぇ!!この仏法やれば絶対救わいる。勤行一緒に頑張ろう!!」

JJが涙を流しながら私たちに訴えた。 
隣では相変わらず2人が談笑していた。その横で、私はこれはタダ事じゃないと確信していた。
JJは殆ど漢字の読み書きすらできていなかったくせに私にはいつも、

「おでは東大出身だ!!」

などと、誰にでもすぐ分かるようなウソを語っていたからである。
ここまでウソが下手くそな人間が私たちのために涙を流しながら一生懸命に訴えているのだ。
彼がウソをついているとは到底思えない。尊さすら感じる。
圧倒されていた私はSSKさんに手招きされ、そこへと向かった。

そこはごく普通の住宅だった。
表札にはKYと書かれてある。珍しい苗字だ。
HND町のKYさん…同じ学区内で中学時代の同級生と同じ苗字だったので、まさかと思いながらお邪魔する。

そこに入ると綺麗に掃除されていたフローリングの廊下が仏間に直結しており、「体臭のキツい方はご遠慮ください。」という貼り紙があった。
寒さで身を震わせながら仏間へと入る。


そして予感が的中する。
KYさんのお姉さんが仏間に居た。
KYさんのお姉さんとは中学時代に一度だけ面識があり、彼女は地元でも有名な不良だった。
私がお会いしていた時もひどく荒れていたのを憶えている。
そんな彼女が時々金髪を指で掻き分けながら、一生懸命にお題目を唱えている。

これは本当に何かあるかもしれない!!

更にその想いは込み上がる。 

SSK「じゃあこごさ、名前ど住所ど誕生日ど携帯の番号書いで。何も送られねぇし、金もかがんねぇがら心配しねぐても大丈夫だよ。」

…とはいうものの、全く知らない人たちや団体に個人情報を公開するのは、不安や心配が確かにあった。
隣で2人は唖然としている。話を全く聞いていない状態で仏間まできたからそうなるのも当然だ。
抵抗感を殺しながら、入信報告書を記入していく。
2人も私につられて納得しない表情を見せながら、ゆっくりと入信報告書を記入し始めた。
しかし、この時お2人は下の名前をひらがなで書いて他の住所や生年月日を記入せずに入信報告書を提出する。
今振り返っても、これはどうやって他の住所、生年月日、電話番号、苗字、下の名前の漢字の情報を拾ったのか疑問である。
半強制的に連れて行かれたのは事実だったし、納得しないのも理解できる。
しかし、自宅拠点の仏間には自分たちよりも目上の方々が何人もいる。
断れない空気だったことは確かである。
その横では、

JJ「HRく〜ん!ウホッ、おでしゃぐぶぐ3人決まったよ!!」

彼の顔にはさっきの真剣な表情は全くなく、これから御導師をするHRさんに鼻息を荒くしながら調子良さそうに語りかける。 

HR「分がったがら、早ぐ座れ。」

JJに対して、冷たくあしらう。
その時のHRさんは見た感じ眼鏡をかけて知的な感じの人だった。
JJやSSKさんとは全然違う感じの人だったが、JJに対しての態度を見て「厳しそうな人だな。」 と思ったのが第一印象である。 

やがて入信報告書の記入が終わり、入信勤行が始まる。
(2人の入信報告書は下の名前をひらがなで書いた状態のまま、そのまま行われていた。)

「南無妙〜…」
 
全員が真剣な表情で勤行を始めた。
方便品を読み始めてから、JJが私たちの御経本のどこを読んでいるか笑顔を見せながら、指をさしてまた正面を向く。それが何回も繰り返された。
正面を向いて勤行をするJJの表情は真剣そのものだ。
いつもニコニコしていた目はギラギラさせながら血走っており、いつも冗談ばかり話してヘラヘラしていた口も尖らせて必死に唱えていた。
彼がここまで真剣な表情になっているのは初めて見た。
後ろでも皆が真剣に祈っていたので、私も圧倒されながらそれに続く。

暫くして勤行が終わる。

HR「入信勤行にあたり、会長浅井先生の指導を代理として、伝えさせていただきます…」

入信という言葉が私の胸に重くのしかかる。
私が考えていたものは、神社仏閣などにお参りして軽く手を合わせて終わりだったからだ。
入信報告書も記入したし、もう後戻り出来ないような感覚で急に不安になる。
いつもと違う真剣なJJの表情を見つめながら、不安な気持ちを必死に打ち消した。

人間とは臆病なものである。
当時の私は学校の先生や両親に対しても常に生意気な態度をとり、昼夜関係なく家や学校を抜け出しては好き放題遊び歩いていた。
常に不真面目に過ごして、後ろ指をさす大人に対しては暴言を吐いて反発していた。
いつも粋がっていたが、ちょっとした事ですぐに臆病になる。
結局はこんなものである。

やがて入信勤行が終わり、HRさんが満面の笑顔で「おつかれさま!」と語りかけてきた。
私も笑顔で「ありがとうございました。」 と返す。
毎日みんな集まってお祈りしてるのか、それは必ず来なければならないものなのか等を質問した。

HR「特に強制ではないからみんなで勤行したくなったら、いつでもおいで。」

そう私に言い残してHRさんは仏間を去った。

老若男女問わず様々な人が大人も含めて真剣に勤行をした後に仏間で和気あいあいと語り合っている光景を見て、私の瞼(まぶた)には大変心地よく映った。
当時の私が抱いていた大人に対するイメージが、現実ばかりに囚われて事務的に職場と自宅を往復し続けるばかりのつまらない人たちというものだったからだ。

再びSSKさんの車で駅まで送ってもらい、TYとMMは知らない間に変な宗教に入れられたと嘆きながらブチ切れていた。
無理もない。
暫く2人の愚痴を聞いてから、最後に馬鹿話をしてその日は解散した。


ー翌日

やり方がよく分からなかった私は方便品寿量品だけを唱えて、お題目と御観念文は唱えなかった。
そして、それが常に全裸の状態で行われた。
真冬だったが、風呂上がりに全裸で勤行した後に冷たい麦茶を一気飲みするのが最高に気持ち良かったからである。


ー1週間後

JJから、いつものワン切りがきた。
いつもの様にかけ直す。

JJ「よぉ〜もっこり君!今日はおでの友達紹介するわ。AS君って人だ。」

AS「あ、どうもASです〜。JJからお話は聞いてます。今度みんなで会いましょう!もっこり君ど会えるのも楽しみさしてるんで。」

もっこり「はじめましてASさん、もっこりです。はい!分かりました。ヨロシクお願いします。」
 
このASさんという人は私が所属していた組織の支隊長である。
非常に腰が低く、感じのいい人だった。少し話した後、すぐにJJに代わる。

JJ「明日の夜7時半におでのいるKD旅館さ来い !」

もっこり「わかりました、大丈夫っすよ。 それじゃ、また明日。」

電話を切り、就寝する。 

翌日の約束の時間にKD旅館に向かうと、後ろからドスの効いた声が聞こえた。

「もっこり君!」


振り返ると、SSKさんが白いディーゼル車から顔を出して照れくさそうに軽く笑顔を見せながら私に挨拶をする。

SSK「もっこり君、JJどごさ居んのが知らねぇが?」

もっこり「いや、自分今来たばっかなんで。」

JJと連絡がとれないと話していた。
私からも電話をかけてみたが、全く応答しない。
とっさにKD旅館の方を見る。JJの自転車もない。
妙だ。いつもはJJが首を長くしてキョロキョロ周囲を見渡しながらそこに居るのに。
旅館の中に入り、女将さんにJJの居場所を尋ねてみることにした。

SSK「JJさんって今どちらにいらっしゃるか分かりますか?」

女将さん「…彼は先程、逮捕されました。」 


※お読み下さった皆様へ/अनुरोध

For Japanese
現役顕正会員さんのご相談や愚痴などを受け付けます。懐かし話などでも大丈夫ですので、何か感じられた方はお気軽に下記のご連絡先にメッセージを頂ければと思います。
但し、変なのには全魂込めてシカト致しますので何卒ご了承願います。

For nepali
यदी तपाईंहरु को रूम सम्मा केन्स्योउकै"नन्म्योउआवरएङेक्योउ"को मन्छे आएको अनि मेरो मैल अद्द्रेस्स सम्मा मेस्सगे दिनुस ।
केन्स्योउकै को दर्मा म एक्दम नराम्रो ग्रूप त्यसैले । 

罪障もっこり副長(मोक्कोरी)
gozaise_no_cocacola@icloud.com

お話を進める前に…皆々様へ
あけまして、おめでとうございます^ ^
お正月は如何お過ごしだったでしょうか?
家でゆっくり過ごされた方、ご家族と出かけた方、中にはお仕事が忙しかった方もいらっしゃったかとは思います。
私もっこりは自宅でいつもと違うちょっとだけ贅沢な料理を作ったりして過ごし、先日は同志の皆様と一緒に大石寺で初登山に行ってきました٩( ᐛ )و

2019年、皆々様にとって良い一年でありますように☆彡
今年ももっこりブログをヨロシクお願い致します( ͡° ͜ʖ ͡°)



ーあれからJJがしつこくワン切りしてくる。

寝てる時も、食事してる時も、家でだらだら過ごしている時も…四六時中だった。

これは私も悪かったのだが、試験中で学校の教室内が静まり返る中でもJJからワン切りがあり、3和音のワンナイトカーニバルが鳴り響いた時もあった。
あの時は「今時3和音かよだっせぇ〜!!(笑)誰や?」と誰かが席の後ろから言っており、私は赤面を隠しながらポケットに手を入れて、さりげなく携帯の電源を切った。

生活に支障をきたすくらいの頻度だったので、さすがに腹が立った私は仕返しに夜中の3時頃にワン切りしまくってやろうとしたが、1発目のコールが鳴る前にJJが勢いよく電話に出た時はトリハダものだった。

そんなやり取りが続き、やがて彼からよく「会おうぜ!」と言われるようになった。


ー2004年12月下旬

まもなく2004年が終わろうとしていた。
テレビをつければ一年を振り返る番組ばかりで、どこのお店に行っても福袋の宣伝などで小さな冬の田舎町は賑わっていた。
お正月休みに入った会社やお店は静けさを見せ、毎日観ている街の景色はいつもと違った。
毎年のことだが、いつもこの時期になると一年が終わる切なさと新たな一年な対する新鮮な気持ちが同時に込み上がる。
そして、顕正会に入信してよりは、いつもこの時のことを今になってもよく思い出してはしみじみとしながら一人で懐かしんでいる。

そんな冬休みに入ったある日、私はJJから「おでの部屋さ来い!」と誘われてそこに向かった。

好奇心から向かったそこは、アパートではなく老舗の旅館だった。
入口には立派な木彫りの熊が置かれてあり、小柄で人当たりの良い女将さんと思しきご婦人が「いらっしゃいませ!」と私に声をかけてきた。

もっこり「JJさんはいらっしゃいますか?」

女将さん「はい、こちらになります。」

部屋を案内され、そこをノックする。

JJ「うぇ〜いよぐ来だっけのぉ〜どおぞ!」

もっこり「お邪魔します(笑)ってかJJさんって下宿してるんすか?」

JJ「いや、あの女将さんいい人だがらおでだげタダだよ…!」

もっこり(…怪しいな(笑)目泳いでるしこりゃ居候だろ!)

私が怪しみながら彼の顔をじっと観ていると、JJがカバンから1枚のDVDを取り出し、彼はこれを一緒に観たいと私に語りかける。
彼の表情は真顔だ。私もそれに合わせる。
彼は手際よく、DVDをポータブルプレイヤーにセットして、再生ボタンを押した。


内容はアダルトビデオだった。


顕正会関連のDVDだと思った方も少なからずいらっしゃったと思う。
高校生の私にこんなモノを白昼堂々と見せる彼に対して、呆れた表情を出しながらこんな大人にはなりたくねぇな…と考えていた。
次の瞬間、彼が真剣な表情で口を動かし始めた。

JJ「もっこり君、この子めんごいだろ?おでの元カノの栃木の女どそっくりなんだわ。あの子どは結婚まで話がいった。160万円の指輪も買った。でもクソ兄貴が全部ダメさしたんだ!!」

顔を真っ赤にしながら私に訴えかける。
お兄さんは現役のヤクザで、JJのお金は全て騙し取られて転々と野宿をして、女将さんに頭を下げて旅館に泊めさせてもらっていたとのことだった。
誰がどんな歴史を歩んでいたのか分からないものだ。
彼に対して、切なさや哀しみという感情を読み取れた。今まで私が見たことのなかったJJの一面である。
しかし、申し訳なかったが私はビデオがうるさくて心の底から親身にはなれなかった。


ー更に、私は未来の同志と出会うことになる。

ある日、JJは駅前でシケモクを拾って幸せそうな顔でそれを整え、誰が口をつけたか分からないそれを吸い始めた。
話を聞くとこれは彼の日常で行われており、可哀想な姿になったショートホープに口をつけていた。
知らない人との間接キッスが日常に行われていたのである。

もっこり「汚ねぇ(笑)」

笑いながら本音が溢れる。
しかし、もう彼に対して驚いたり引いたりする事はなかった。
こういう人なのだろうと考えるようになっていた。感覚がマヒしていたのだろう。

JJを建物の影まで手招きで誘導させて、彼がシケモクを吸っている横で私も一緒にいっぷくする。
いっぷくが終わり、駅に戻るとJJは一人の高校生に声をかけた。
彼は私を見るなり挨拶をして、MKと名乗った。
MKとは今後、顕正会で共に幹部職となり活動する事になる。
彼は平成16年9月の入信になるので、活動はしていなかったがこの時既にJJの縁で顕正会に入信していた。
当時の私はこの事に関しては何の知る由もなく単純にJJの知り合いと考えていた。

MKは面識こそなかったが、地元では遊び人と言われ有名だったので私も名前は知っていた。
確かに、彼は長身で男前だったし持っているものは高そうなモノばかりで、高校生の中では明らかにお金持ちだったが、話していると大変落ち着いており、人当たりが良くて私からは好感が持てる人だった。
人は外見で判断できないと思った。
JJを交えて彼と暫く談笑した後に、隣街に住んでいたMKは携帯を開いて時間を確認した後に、初めて焦るような表情を見せた。
そのまま私達に挨拶を交わして速歩きで駅へと向かった。
そりゃそうだ。
田舎の駅だったので電車の本数が非常に少なく、真冬に乗り遅れたら凍死モノである。
私はMKの焦る気持ちを察しながら、彼が改札の中へと入る姿を手を振りながら見送った。


ー2005年1月上旬

学校の冬休みも終わった頃に、JJからワン切りがあった。
それに気付き、私も電話する。

JJ「もっこり君、今度の日曜日の日中に会おう!!日曜日じゃねぇどおではダメなんだ。」

もっこり「JJさんどうしたんすか?そんな急いで。まぁ9日は家の手伝いあるんで無理なんすけど、16日だったら大丈夫っすよ。」

JJ「ゔ〜…どうしても無理が。。。わがった、16日の午後4時で駅前集合だ。絶対来てくれっ!!」

もっこり「わかりましたよ(笑)ちゃんと来ますから心配しないでください。じゃあその時にまた。」

私は電話を切り、部屋のベッドに横たわる。
JJがこの日じゃないとダメなんだと、もの凄い剣幕で話してきたために少々引っかかる部分はあったが、あまり深くは考えなかった。
仰向けになる。
頭上にはムンクの叫びのでかいジグソーパズルが吊るされており、その隣にはラッカースプレーで「世界征服上等」とラクガキされた世界地図。ベッドの横には机があり、その上には様々なタバコの銘柄の空箱が無造作に積まれている。
狭い部屋だが、やはり自分の部屋が一番に安らぐ。
友人にメールを一通り返した後、消灯して眠りについた。



ー今まで静かに唸っていた運命の歯車が、この日の夜から急速に動き始めた。


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ーあれから数日が経ったある日

下校時、私は他の友人2人といつもの様に駅前をぶらぶらしていたのだが、その日は吹雪いておりとても寒くて、3人で学ランを震わせながら一歩一歩、ゆっくりと転ばない様に歩いていた。
私の地元では雪が下から上に降ると言われており、関東の人にそれを話しても皆さんが首をかしげる。要は地吹雪が強い街なのである。

私達は止むを得ず、暖をとる為に駅の中へと入った。
地元の駅では左から交番、駅、お土産屋さん、駅そば屋さんと並んでいる。
贅沢を言えばそば屋さんで天かすと七味唐辛子をたっぷり入れたかけそばを食べながら暖をとりたかったのだが、当時は高校生で財布の中には小銭ばかりが入っており、自然と駅の方に足が傾いた。お金がかからない場所へと吸い寄せられるのは学生の性なのだろう。

駅構内を歩きながら、暇を潰すために新しい風景を探す。
改札の先に見える他の駅にはそう無いであろうゼロ番線、その横にはコーヒーばかりが売れている売店、周囲には私達と同じように暖をとる様々な学生服を身に纏う高校生達…見慣れた光景だが、なるべく新鮮さを出すように工夫しながら観察していく。
その時であるー

友人「よぉ、JJ!」

私は彼の中学時代の友人かなと思いながら、挨拶しようと振り返ったのだが、そこには…

もっこり(げっ、この前のシャブ中じゃん!よりによってアイツの知り合いかよ…)

彼等の会話に入らないよう、気付かれない程度になるべく距離を置いた。だが、それも無駄な抵抗であった。

シャブ「あのぅ、お兄さんおでにタバゴを恵んで下さいませぬか?今度タクシーですたみな太郎さ連れでってご馳走すっがら!」

地元の人間でも、耳を澄ませなければ聞き取れないくらいの強い訛り口調で語りかけてくる。
彼は携帯電話の電卓機能を開き、このくらいおトクですよとアピールする。

冗談じゃない。
すたみな太郎は隣町にあり、地元から30kmくらい離れてる場所なのに、そこまでタクシーだとかやっぱりコイツぶっ飛んでる…とは思ったものの明らかに30歳前後で目上の人なので、とりあえず敬意を見せるためにタバコを2本、こっそりと渡した。

シャブ「ぉおおおお〜!!!ありがとうございますっ!ありがとうございますっ!!命の恩人だぁおめぇさんは。今日からおでだぢはマブダチだぜ!ありがどぉ〜!!」

叫びながら、サングラスを取り出して私の顔にかけさせようとする。
明らかに100円ショップで見たことのあるサングラスだった。
少々嫌がる素振りは見せたが、強引にかけさせられた。
 
シャブ「お、お、お、おめぇさんどごのヤンキーや!!ずびばぜんでした〜▼%♨︎★♯◇◎」

彼は私に勢いよく土下座してきた。
近くに交番がある事や周囲の方々の視線も気になり、メチャクチャ恥ずかしくて焦ったのを覚えている。
…帰りたい。心の底からそう思った。 

そんな矢先に、彼から連絡先を聞かれて渋々交換した。
彼は私にOTJJと名乗った。
以降、彼をJJと書くことにする。

ーこれが、後に私を顕正会に入信させたJJともっこりの初めての会話である。


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